すべては麹作りから

米を洗う

写真①

米麹作り
それは米を洗うことから始めます。 仕込みを始める前日から、特製の櫂を用いて丁寧にぬかを洗い落としていきます。 ぬかをきれいに落としておかないと麹に雑味が残ります。 これは炊飯の時と同じですね。 そして、十分に水を浸漬させておきます。(写真①)

甑をする

写真②
写真③
写真④

仕込み当日。
朝8時。 前日から浸漬させておいた米の水を抜き、1時間ほど水を切ります。 この時水切りが不十分だと、蒸しあがった米がべとつき、良い麹になりません。
朝9時。 米を蒸します(写真②)。 ここからの作業は、専門用語で「甑(こしき)をする。」と言います。 甑窯に甑布をかけて、米を蒸していきます。 下から段々蒸気が上がって来るので、蒸気が上がった所から順々に米をかぶせていきます。 蒸気が上がる間に米をかぶせるとべたつきの元になるので、焦りは禁物です。 全部に蒸気を通し終えて、かぶせ布してから約1時間蒸します。 ムラのないように。
朝10時半。 蒸し終えたら、放冷・菌付けです(写真③)。 放冷器にて39℃~37℃にします。 ここの温度調節は、気温・湿度・米の水分量・米の品種によって様々なので、我々の最も気を遣う時と 言って良いかもしれません。 適温になった蒸し米に、特注の混合機で麹菌をムラなく付けます。 麹菌を付けた蒸し米をタンクに重ね(写真④)、適温にて約24時間。麹菌の繫殖を待ちます。 ここまでが最重要作業「甑」です。

盛り

麹 糀 麹作り 糀作り
写真⑤

2日目。 朝11時。 タンクの蒸し米を室(むろ)に移していきます。 室の中は30℃以上の高温多湿なので、大変です(写真⑤)。 24時間保温しておいた蒸し米は、ある程度麹菌の繫殖が進んで、 表面が白っぽくなっております。 タンクの上の方と下の方で繫殖の具合が違うので掘り返して(写真⑥)、 手と切返し機を使い崩していきます。 そして、大もろ蓋(おおもろぶた)に盛っていきます。(写真⑦) この盛りの厚みと、室の温度・湿度を調節する事によって 麹菌の繫殖を促していきます。

麹 糀 麹作り 糀作り
写真⑥
麹 糀 麹作り 糀作り
写真⑦

仲仕事

麹 糀 麹作り 糀作り
写真⑧

夕方5時。 1回目の手入れ。仲仕事。
盛ってある麹を手で丁寧に崩していきます。 重労働ですが、この時の手の感覚が大事ですので一生懸命に手入れをし、 くっついている米粒を一粒一粒離していきます。 盛ってある麹を少し広げて温度調節をします。(写真⑧)

仕舞仕事

麹 糀 麹作り 糀作り
写真⑨

夜9時。 2回目の手入れ。
仕舞仕事。
麴をさらに広げて、最後の温度調節をします。 ここまでは麹菌の繫殖のために湿度を高く保っていましたが、 ここからは表面に繫殖させた麹菌の菌糸を米の内部に張らせる(伸ばさせる)為に、 換気扇を回すなどして乾燥、あるいは温度調節します。 麹菌は、水分を求めて水分のある方に菌糸を伸ばすためです。 これで2日目は終了。(写真⑨)

出麹

麹 糀 麹作り 糀作り
写真⑩

三日目。
出麹。
乾燥・放冷して売り麹。(写真⑩)
保温したまま昼から米を炊いてあまざけを仕込む、豆を煮て味噌を仕込むなど、
すべての始まりは麹を作ることです。
良い麹作りの為に、日々精進・試行錯誤です。